ライブラリー最前線

足立区立栗原北小学校におじゃまして、みなさんにお話をうかがいました。
栗原北小学校は、モデル校4校のうちの一つとして、各校に先駆けて4月に「きっずライブラリー」が設置されました。
きっずライブラリー完成当日には贈呈式も行われ、しっかりと子どもたちの心をつかみ、利用が進んでいます。

図書担当 星﨑先生にお話をうかがいました。
私は昨年、栗原北小学校に着任した時から、図書の担当をしています。ですからまだ2年間しか経っていません。私の前の先生が図書活動にとても力を入れてくださっていたこと、そして図書ボランティアさんがとてもしっかりと活動してくださったおかげで「図書室が明るくなった、きれいになった」とみんな喜んでいます。

活字離れと言われていますが、学校として読書を推進するために取り組まれていることは
ありますか?
まずは、今まで足が向かなかった子が何かのきっかけで来てくれた瞬間に「図書室は楽しいところだよ」ということがわかるようにしたいと思っています。ディスプレーなどを、図書ボランティアさんが頑張って手作りしてくださって、明るい図書室になりました。本当に感謝しています。そして、読みたい本があるように冊数も徐々に増やしています。古くてあまり動かない本を別のところに保管しておいて、その分、新しい本を増やしていっています。
きっずライブラリーの本は、新しい本の一部としてお役に立てていますか?
きっずライブラリーの本は、見た目も鮮やかで手に取りやすいです。活字が少なく、見て楽しむ本もたくさんあります。もちろん活字は読んでほしいのですが、活字がない本は、大勢で楽しめます。最初に本を嫌いにならないためには、そこから入るといいのかな、と思います。今はゲームがありますし、受け身ですべての情報が入ってくる時代ですから、本を自分から読もうという子は少なくなってきています。まずは、読むというよりも見て、「本ってこんなに楽しいんだ!」と思ってくれればと願っています。そこから興味が広がって次の本へとつながっていきますから。
きっずライブラリーの本の特徴はどんなことだととらえていらっしゃいますか?
きっずライブラリーの本はすごく不思議で、低学年、中学年、高学年と興味を持つ年齢層がわかれていないんです。普通、低学年は絵本、高学年は活字が多い本、とはっきりわかれるものなのですが。みんなまんべんなく手に取ってくれています。低学年はもちろん、高学年の子も自分の趣味に合わせて写真ばかりの本を見ていますし、写真ばかりの本を見ていても、まわりから「何読んでんだよー」と言われることはありません。せっかく本を手に取るきっかけをつくっていただいたので、次は授業などを通じて図書室のほかの本にも興味を持ってもらえるようにするのが私たちの役目だと感じています。
きっずライブラリーの本は子どもの成長にどのように寄与していけるでしょうか?
購入する本を教員が選ぶと、つい「調べ学習に役立つものを」というような観点から選んでしまうことが多いのですが、きっずライブラリーはジャンルに偏りがないので、子どもたちにとっても新鮮なのだと思います。本を通して「私は手先が器用なんだ」と気づけば、料理や工作の方に進んでいくかもしれませんし、「写真って素敵だな」と思えば「自分でも撮りたい」という方向に行くかも知れません。絵が好きな人は、どんどんいい絵をたくさん見る機会になるでしょう。このように「自分が得意なこと、興味があること、趣味になり得ることはなんだろう?」ということを自分で気づくという、キャリア教育の第一歩になるかもしれないと期待しています。

 

図書委員長さんからのメッセージです ─── 6年 渡邊藍子さん
きっずライブラリーには、活字の多い本よりも、画集や写真集など、絵がきれいだったり、見るだけで楽しくなったりする本がたくさんあります。読書が苦手な人もきっと楽しめると思います。みんなが読んだことのない本や見たことがない本がいっぱいあります。みんな図書室に来てね!

藍子さんは本が大好きなんです。「みんなに紹介できたらいいな」と言って
図書委員長に立候補してくれました。
私は本が大好きです。最初にきっずライブラリーができると聞いた時は、「図書室に本が増えてうれしいな」と思いました。今年4月、実際にきっずライブラリーができてみると、パッと見ただけでも面白そうな本がたくさんありました。私は絵を描くのが好きなので、絵の描き方の本にまず目がいきました。
毎年、3月にある足立区の百人一首の大会に出ているので、それに関する本がたくさんあったこともうれしかったです。大会は4年生から出ています。本には、百人一首の句に関する事だけではなく、定位置の作り方や試合の流れの読み方も説明してあって、すごく勉強になりました。絵もたくさんあってわかりやすかったです。
また、学校の総合的な学習の時間で調べ学習をした時に、パラリンピックについて調べることになったんです。ちょうどオリンピックについて詳しく書かれた本があって、すごく役立ちました。夏休みの自由研究に、きっずライブラリーの本を利用した人もいたようです。
今年は栗原北小学校が、オリンピック推進校に指定されています。1年間の研究期間です。
学校でも、それに関する本は買うのですが、調べ学習で利用するには冊数が必要です。
ちょうど、オリンピックに関する本がたくさんあったので本当に助かりました。
きっずライブラリーの中での一番人気は「サバイバルシリーズ」です。私の弟は3年生なのですが、この間借りて読んでいましたし、高学年のみなさんも読んでいて、学年を問わず幅広く読まれています。図書を借りる時の予約制度はないのですが、次は僕、その次は……、というように、自然発生的に借りる順番が決まっているぐらいで、なかなかきっずライブラリーの棚でお目にかかることがないぐらいの人気ぶりですよ。
もうすぐ読書月間が始まります。この期間の朝の集会では、図書委員会が発表をするチャンスがあります。そこできっずライブラリーをもっともっとアピールしていきたいです。
きっずライブラリーは、物語に出てきたお料理の紹介など、今までの図書室にはなかった色鮮やかな本が中心です。おりがみや、工作など、実際にやってみることができる本もたくさんあります。掲示飾り係の人が、季節にあったおりがみを折るためにも利用してくれています。


おすすめの本コーナー心のこもった図書委員のコメントの数々

図書委員会では、図書室の各所でお薦めの本をお知らせしているほか、各階に「おすすめの本コーナー」を設置しています。図書委員、一人ひとりが読んで、「みんなにも読んでほしいな」と思った本をコメントと共に紹介しています。そこにはきっずライブラリーの本もあります。実際にそこで読むこともできます。

あだち放課後子ども教室見守りスタッフのみなさんにもお話をうかがいました。


栗原北小学校あだち放課後子ども教室
(愛称くりっぷ)
スタッフリーダー 高橋さん
副実行委員長 瀬山さん

私たちがすすめたりする必要は全然ないぐらい、子どもたちはみんなきっずライブラリーの存在を知っています。朝礼でも紹介しましたし、学校の広報にも出ていましたから。

図書室の中でもきっずライブラリーは、ちょっと雰囲気が違った本が揃っているので、子どもたちがとても興味を持っています。「目で見る本」と言えばいいのかな。文章ばかりではないので、気軽に入っていける分、人気ですね。私たちも手に取って見てしまうぐらいですから。
以前から図書室には、放課後、自主的に宿題をしにくる子は多かったのですが、最近は、先に終わってお友だちを待っている間にきっずライブラリーの本を手に取っている姿をよく見ます。物語ではないものが多いので、好きなところから読み始めて、いつでもやめることができ、また気になったら図書室に来て手に取ればいいので、とても気軽なのだと思います。
子どもは面白い本を見つけるとだれかに言いたいんです。今まではあまり図書室になかった、ものづくり、スポーツや音楽、芸能、美術など、学びや遊びの体験につながるような本がたくさんあるので、本当に子どもたちはうれしそうで、きっずライブラリーを訪れる子どもはどんどん広がりを見せています。親の視点からしても、大きな図鑑など、家ではなかなか買えない本がたくさんあるので、すごくいいと思います。科学の図鑑に見入ったり、ひたすら虫を探求したり。そのうち、この学校から偉大な博士が出るんじゃないかと密かに思ったりしています。手芸や料理の本も家庭科の教科書とは全然違って、見るだけでもとても楽しいので、家庭科が嫌いになりそうだった子も「これなら」と思ってくれているようです。
今まで図書室では、1冊を1人がじっくり読んでいる姿が当たり前でした。きっずライブラリーの本が来てからは、1冊の本をみんなで見て、「ああでもないこうでもない」と言い合っている姿をよく目にします。その姿を見て、私たちも「手に取りやすい本の存在ってこんなにも重要だったんだな」と再認識しました。
今後も普段の図書室にはないものをご提供いただけることを期待しています。今回は、見た目の色からして全然違っていてインパクトがありました。もっと違う新しいもの。期待しちゃいますね。



栗原北小学校校長 三宅先生のお話


子どもたちは、きっずライブラリーの本に興味を示して、よく手にとっています。先生方からは「総合的な学習の時間」に使える図書が多いという声があがっていますね。学校では物語や教科に絞った「調べ学習」の図書を中心に購入していますが、きっずライブラリーは、目線が違う新しいジャンルの図書があるので、子どもたちの興味の幅が広がって良かったと思います。ジャンルについても、芸術・スポーツという今回選んでいただいた方向でよいと思います。活字が苦手、本を読むことは嫌いという子どもにとっては、今回のジャンルのような、まずは手にとりやすい図書というものも必要ですから。これからもおおいに活用していきたいです。
読書推進活動を推進していくうえで日常の取り組みとして、目標のページ数や読書時間を決めた読書記録カードを作っています。読書感想文については、全員に書いてもらっています。ただし1年生の読書感想文については、夏休みにまず本を読んでもらい、感想文の書き方を指導してから感想文を書いてもらうように段階をふんでいます。春には読書旬間、秋には読書月間があります。秋の読書月間には、自分が読んだ本、好きな本を友だちと紹介しあう催しを考えています。
生涯学習振興公社でも、気に入った本の感想を「紹介カード」に記入してくれた子どもたちにしおりをプレゼントする企画に取り組んでくださっているようですね。そのような取り組みと学校での取り組みとが、相乗効果を生んで、放課後も子どもたちが図書室で本に親しむ姿が多くなるとうれしいです。
問い合わせ 企画総務課
電話 5813-3724 (平日 午前9時~午後5時)