アーティストが直接、文化芸術に触れる機会が少ない方々のもとへ出向いて芸術普及活動を行う「アウトリーチ」。当公社の文化事業はアウトリーチを中心として展開しています。そしてこの事業に欠かせないのが、アウトリーチについての正しい考え方と、音楽を伝えるためのたくさんの「引出し」を持つアーティストです。今年度も意欲的な演奏家の方々が、よりよいアウトリーチを学ぶために参加してくれました。
講師はアウトリーチについて日本で第一人者の児玉真氏。そして現場で15年以上アウトリーチに携わってきた榎本広樹氏。1日目は、「アウトリーチがもたらすもの」として、その歴史からアウトリーチの目的、もたらされる効果などの講義。続いて、アーティストが陥りやすい間違いを鋭く分析した「アウトリーチの現場でアーティストにしてほしくない11のこと」。さらに様々な手法を使ってのプログラムの組み立て方など、ユニークで充実した内容です。午後からは参加者それぞれのプランをもとに、グループワークで具体的なプログラムを考えました。
2日目は田中靖人氏(サックス)、白石光隆氏(ピアノ)のお二人による模擬アウトリーチ。迫力ある生演奏と楽器や音楽への興味を促す様々な仕掛けに、受講生の皆さんは子どもたちに音楽の楽しさを伝えるための、たくさんの重要なポイントをしっかりと受け取った様子。講師陣との質疑応答で午前中の講義は終わりました。午後は各グループが二日かけて作った、工夫がいっぱいのプログラムが発表されました。最後に講師陣による講評をいただいて、多くの実りをもたらした今回の講座は終了しました。
自らの音楽活動の可能性を広げたい。地域の文化向上に貢献したい。子どもたちが音楽と幸せな出会いをして欲しい。今後も、意欲を持った地域のアーティストが、この事業をきっかけにさらに増えていくことを願っています。
(現・実践!音楽アウトリーチ講座)
![]() 児玉 真氏 |
![]() 榎本広樹氏 |
![]() 田中靖人氏(サックス) 白石光隆氏(ピアノ) による模擬アウトリーチ |
![]() グループワークの課題 |
![]() 工夫を凝らしたプログラムを発表 |
![]() プログラム発表後の講評 |