ホールや劇場に行けずに文化芸術に触れる機会が少ない方々のもとへ、アーティストが直接出向いて芸術普及活動を行う「アウトリーチ」活動事業。当公社の文化事業はアウトリーチを中心として展開しています。そしてこの事業に欠かせないのがアウトリーチのスキルと意欲を持った地域のアーティストです。今年度から始まったこの事業に、意欲的な地域の演奏家の方々が参加してくれました。
講師はアウトリーチについて日本で第一人者の児玉真氏。
第一日目は、日本におけるアウトリーチが生まれる歴史からアウトリーチの目的、そしてマーケティングの手法を使ってのプログラムの組み立て方などの充実した講義。午後からは参加者それぞれのプランをもとに、グループワークで具体的なプログラムを作りました。
二日目のメインイベントはピアニストの白石光隆氏による模擬アウトリーチの実演です。小学校1年生に向けたプログラムという設定なので、参加者も全員小学1年生になったつもりで演奏を聴きます。体を使って音やリズムを感じるワークショップからハイドンのかつらの話など、1年生の興味をひきつけながら作曲家やその時代の話などを分かりやすく解説していただきました。そして極めつけは白石氏の必殺技「ピアノ解体」です。引き出されたピアノ内部を目の前で見ると、模擬小学1年生も目が輝きます。
午後はさらに各グループのプログラムをブラッシュアップして発表しました。参加者全員でのディスカッションの後、児玉氏、白石氏の両講師からの講評をいただいて、実り多い今回の講座は終了しました。
自らの音楽活動の可能性を広げたい。地域の文化向上に貢献したい。子どもたちが音楽と幸せな出会いをして欲しい。さまざまな願いと意欲を持った地域のアーティストが、この事業をきっかけにさらに増えていくことを願ってやみません。
(現・実践!音楽アウトリーチ講座)
![]() アウトリーチスキルアップ講座 |
![]() 講師の児玉 真氏 |
![]() グループワーク |
![]() 模擬アウトリーチの実演 |
![]() 白石光隆氏の「ピアノ解体」 |
![]() プログラムの発表 |